かつては宇佐の観光の目玉だった貝堀り(潮干狩り)ですが、近年は数が激減しほとんど採ることが出来ない状態です。

過去記事
【注意】宇佐の貝堀り渡し船は終了しています


そんな中、2015年5月30日の高知新聞に気になる記事が掲載されていました。


高知県浦ノ内湾のアサリ漁復活に光 かぶせ網の効果確認

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 高知県土佐市、須崎市にまたがる浦ノ内湾のアサリ漁復活へ、地元の漁業関係者らでつくる「宇佐地区協議会」が地道な取り組みを続けている。潮干狩りスポットだった「天王州」(12ヘクタール)にアサリ保護用の「かぶせ網」を設置し、繁殖効果を確認するなど、光も差し始めた。2015年度は網を天王州全体に広げ、母貝の保護エリア化を目指す。 

 「おった、おった。いっぱいおる」 
 干潮時。アサリの成育状況の確認に来た土佐市水産課の職員が、天王州のかぶせ網をめくる。砂を掘ると、4センチ前後のアサリが次々出てきた。 
 ただ、網を外れた場所には、アサリはほとんどいなかった。田村正司課長補佐は「網の周りではまだアサリが育たないが、網の下では育つ。それがこれまでに確認できたこと」と話す。 

敵はアオサ、エイ 

 農林水産統計によると、浦ノ内湾でのアサリ漁は1983年の2794トンをピークに年々減少。1999年以降は100トンを切る傾向が続き、2011年度は43トン、12年度はさらに5トンにまで落ち込んだ。 
 アサリの成育環境の改善を目指し、2009年にアサリ漁関係者らが宇佐地区協議会を発足。アオサの繁茂や、足糸を連ねて砂浜を覆うように繁殖するホトトギスガイによってアサリの呼吸環境が阻害されることから、干潮時に海底を耕運機などで掘り起こすなどの取り組みを始めた。 
 2012年度からはさらに、エイなどの食害を防ぐため、高知県水産試験場と協力してかぶせ網を随所に張っている。2014年度末までに協議会の分が11カ所、水産試験場は約30カ所。面積にして計1500平方メートルに増え、成育状況を調査している。 
 水産試験場によると、かぶせ網がない場所では、アサリの採れる量は1平方メートル当たり0・3キロ以下だが、設置箇所では2013、2014年度とも2〜3キロ程度と効果が確認できた。 
 水産試験場の児玉修・増養殖環境課長は「かぶせ網の下で成育していることから、今のところ、減少の原因としては食害が一番怪しい。アサリが増えた所は、ホトトギスガイやアオサも少ない」と話す。 

幼生も増加 

 天王州の北と南でアサリの浮遊幼生の発生状況も調査し、水産試験場は2013年秋、2014年秋とも増加傾向にあることを確認した。児玉課長は「かぶせ網で保護したアサリの産卵によって増えた可能性もある」と指摘する。 
 効果が確認できたため、高知海区漁業調整委員会は2015年度、天王州全体を含む約26ヘクタールをアサリの禁漁区域に指定。宇佐地区協議会と水産試験場は5月に入って、1900平方メートル分のかぶせ網を増設した。さらに、2015年度内に千平方メートル分を増やして網の面積を全体で約4500平方メートルに拡大する。死滅分を多く見積もったとしても、計算上は3〜4トンの成育が期待できるという。 
 児玉課長は「トン単位でアサリを増やしたらどうなるか見たい。天王州を母貝の保護エリアにして、周辺部の浮遊幼生を増やし、将来的に全体的な資源回復ができれば」と狙いを話す。 
 ただ、禁漁が解除されるほどの資源増がいつになるか、めどは立たない状況だ。協議会メンバーで貝類卸売業の武市正和さん(38)=土佐市高岡町甲=は「潮干狩りは気軽に海に触れられる機会。子どもにも残してあげたい」と力を込める。 
 禁漁やかぶせ網がアサリの自然増に結び付くか――。息の長い取り組みが続く。

マテ貝の数が減ってアサリが激増した時期にはそれまでサラリーマンをしていた人でも会社を辞めてアサリ漁師になる人が出るほどアサリが取れていたのです。

それが今では雀の涙程しかいません。

記事本文にはアサリ減少の原因は他の生物による食害の可能性があると書かれており、見開きの隣のページには高知県の別の地域での食害による被害について書かれている記事もありました。



高知県の足摺サンゴの“森”壊滅? オニヒトデの食害


 高知県土佐清水市から幡多郡大月町、宿毛市にかけて、足摺宇和海国立公園の海に広がっていたサンゴ礁がここ数年間で激減していることが、環境省から委託された黒潮生物研究所(大月町)の調査で分かった。主な原因は、大発生したオニヒトデによる食害とされ、駆除の手が届かない広い範囲でサンゴが死滅していた。サンゴ礁は海の中で、多様な生態を支える“森”として機能している。全滅すれば復活の可能性は低くなり、観光産業だけでなく、環境への幅広い影響が懸念されている。



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こちらの記事ではオニヒトデの増加の原因として、海水温の上昇によりオニヒトデが繁殖しやすい環境になってきたと説明があります。



共通点は環境の変化

アサリの減少、サンゴの減少の2つの記事に共通するのは「環境の変化」です。
近年水温が上昇しつつあることが生態系に大きな影響を与えていることは確かです。

数年前までは高知県の沿岸全域でキスが激減し、当店でもキス釣り客が少なくなっていました。
一昨年あたりから徐々に増え始め、今年は好調に釣れています。

ヒョウゴ(ヘダイ)は浦ノ内湾には昔はほとんどいませんでしたが、こちらも数年前から毎年6月あたりに沖から群れで湾内へ入ってきて、秋の終りに産卵を終えて沖へ出ていくというサイクルが続いています。
ヒョウゴの数は年々増えてきており、今年は例年より1か月程早くヒョウゴの群れが入ってきて湾内で釣れ始めています。



土佐市地域おこし協力隊

ドラマ「遅咲きのひまわり」で一躍有名になった地域おこし協力隊ですが、、土佐市にも今年の4月から地域おこし協力隊が結成され、アサリ養殖化計画に携わっている大久保さんとお会いしてお話を聞くことができました。
宇佐でのアサリの養殖は何年か前から有志の方々を中心にボランティアで進められていたようですが、今年から県の予算も下り、本格的に養殖事業を目指したアサリの養殖を行っているそうです。

はじめまして土佐市協力隊漁業振興担当大久保です( ´ ▽ ` )ノ今日は最後の1人が加わり、土佐市地域おこし協力隊4人全員揃いました!そんなわけで4人でいろいろ報告していきたいと思います( ̄^ ̄)ゞ漁業振興担当の私は今はアサリの養殖...

Posted by 土佐市地域おこし協力隊 on 2015年5月11日


最終的には大粒のアサリを宇佐の特産物として売り出したいと熱い想いを聞かせてもらいました。

アサリの養殖が長期間続けば、人口の養殖区域だけでなく自然繁殖区域も広がり、以前のようにアサリがたく取れるようになって、「宇佐の貝堀」が復活したらいいですね~(*^_^*)


2015年現在は貝堀の渡し船はやっていませんので、ご注意を。



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【注意】宇佐の貝堀り渡し船は終了しています




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